那珂川町

移住先が故郷のように
大好きになりました

暮らしを変えたことで自分の“好き”に出会い直す

絵本「14ひきシリーズ」の作品の舞台となっている那珂川町。町の小高い丘に立つ「いわむらかずお絵本の丘美術館」を訪ね、お会いした夏希さんは「町に見学に来てこの美術館があったということはここに移住するってことだと思ったんです」と幼少期に母に読んでもらって以来親しんできたという「14ひきシリーズ」への想いを語る。夏希さんは那珂川町に地域おこし協力隊として2023年に移住。町の人との交流を通じて故郷のように思い入れを持つようになった那珂川町でどんな暮らしを送っているのか伺った。

移住者のご紹介

移住者写真

吉田夏希さん

2023年横浜市から移住。
化粧品会社の研究開発職で多忙を極めた生活に区切りをつけ、地域おこし協力隊として移住を決める。赴任後は町の観光協会をサポートする任務を中心に町の魅力を県内外に向けて発信している。
現在は美容部員としての活動も開始。2026年春で地域おこし協力隊の任期を満了した後も那珂川町での暮らしは継続する。今後はエステなど美容サービスの提供を通して町の活性化を目指す。

なぜ那珂川町へ? 生活を一新し、田舎暮らしを始めることを決意

「例えるならば赤ちゃんが立った時のように大きく成長したなって思ってるんです」
2026年春、吉田さんは地域おこし協力隊としての任期を満了する。「あの時直感的にここだと思い、移住の選択をした自分に『ナイスだよ』と言ってあげたい」と3年間の活動を振り返る。
那珂川町への移住は、前職での環境に悩んでいた時期に田舎暮らしに興味を持つ友人の話を聞いたことがきっかけだった。現状を打破するためには移住もいいなとひらめき、行動を開始。東京駅にある移住・交流情報ガーデンを訪ね、田舎暮らしに興味があるが同時に就職には不安があることも相談した。そこで地域おこし協力隊の制度を勧めてもらい、移住への具体的なイメージが湧いた。

夏希さんが移住先を決めるための判断材料は2つ。①横浜市の実家に帰りやすいこと/②旅行で行ったことがあり、良い思い出がある場所。これで静岡県島田市と栃木県那珂川町の2か所まで絞られ、実際に各市町へと足を運んでみることに。
「町の人に積極的に話しかけて“地域のいい場所はどこですか”と尋ねました。対応で地域の人の特性が分かるかなと思ったので色んな人に話しかけましたね。静岡にもいい人がいっぱいいて”移住したいんだ~”と受け入れてくださる感じはあったんです。那珂川町では人と話していると親戚みたいな距離の近さやあたたかさを感じました。包み込んでもらえるような感覚で、なんかほっとできたんです」

移住してみてどうだった? 地域の人のあたたかさに癒される日々

実際に住んでみてからも移住前にいいなと感じた町の人の「家族のようなあたたかさ」を体感した。「那珂川町は田んぼがいっぱいあってお米を作ってる方に“今年の新米食べた?あげるから”と声をかけてもらいました。仕事終わりにお家に伺ったら “ご飯ももう少しで炊けるからね”と天ぷらが食卓に並べられて。さらに他のおかずまで出してくださってドラマで見る『田舎暮らし』のようなことが目の前で起きているようでした。お米の味もすごく美味しかったですね。最後は“じゃあまた元気で頑張ってね。また遊びに来てね”と送り出されて。まるで自分がドラマの主人公になったみたいでしたね(笑)」。

自分を育ててくれた町の人との交流 地域おこし協力隊としての
ミッションを達成するために

町の人たちが地域おこし協力隊の存在を快く受け入れてくれることで移住の選択をしてよかったが、町のために自分に何ができるのだろうと考えるようにもなった。町の人の方から“こんなことをやってみたらどうか”とさまざまな提案を出してもらいヒントを得て「町の人と交流し協力する中で、私が町のためにできること、やれることを見つけてだんだんと動けるようになりました。おかげで私自身もものすごく成長できた。町の人たちには本当に感謝しています」と町への想いを語る。

私らしい那須での過ごし方 小さなしあわせがもたらしてくれたもの

普段仕事を終えた後は日帰り温泉へ足を運びリラックスする時間を取ったり、地域で採れた野菜を使い自炊を楽しんでいるという夏希さん。休みの日は町内のカフェで木漏れ日を見ながらスイーツを食べたりゆったりと過ごすのがお気に入りだそう。那須で暮らすようになってからは「日常で見過ごしてしまいそうなことなんですけど星がきれいだってことや、今年は柿がよく実ってるなぁとかって小さなしあわせに目が向くようになり、本来のありがたさにも気付くようになったんです」と心境の変化もあったという。

今後の展望と挑戦 “好き”を深めながら町のためにもなる活動を

協力隊として活動する傍ら、夏希さんは温泉ソムリエの資格も取得。
「那珂川町の温泉はアルカリ性で泉質がとろっとしているんです。それで那珂川町は美人の湯とも呼ばれていて。元々仕事で化粧品の研究をしていたので美人の湯の温泉について興味が湧き学んでみたいと温泉のソムリエ資格を取得しました。温泉について話す会を企画して那珂川町の温泉の特徴を踏まえて入浴後にどのように保湿を行うとよいか、温泉への安全な入り方はどのようなものかなどをお伝えしたり、手で温泉を楽しむ手湯体験ができるイベントなども企画して実施してします」
地域おこし協力隊としての任期満了後も移住の経験を活かし田舎暮らしを始めたい人の支援をしたいと那珂川町に住み続けることを決めた。
「町に知っている人がいなくてもこんな風に楽しく生活を送っていけると自分の例を通して知ってもらえたらいいなと思っています。そして今後の活動では町の自然がもつ癒しとエステや温泉で自分をケアしてあげる癒しをかけ合わせて『癒しの力』で町のためにできることを考えていこうと思っています」

移住を考えている方へ 那須で素敵に暮らす人から贈るメッセージ

「暮らすのには『人が好きな人』が向いていると思います。町ではいろんな人とコミュニケーションを取って話す機会が多く、人との距離も近いので人が好きだとより暮らしに喜びを感じられると思います。地域おこし協力隊の活動には町のいろんな人が関わってくれてアドバイスももらう機会が多くあったんですが、人の話に耳を傾けながら一緒に町おこしをしようという気持ちがあるとよりうまくやっていけるのかなと思いますね」

記事を書いた人

村山愛那

編集

2021年に夫婦で東京から那須塩原市に移住。都内では制作会社プロデューサーや保育士として勤め、活動の場を那須に移し、デザインとことばをつくる会社Picnic.Incを設立。道の駅「明治の森・黒磯」の商品デザインを手がけるなど、那須エリアでの仕事にも携わる。山のふもとに、平家とアトリエを構え、娘の編(3)と愛犬2匹と暮らしている。

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